『言志録』(げんしろく246条)『言志後録』(げんしこうろく255条)『言志晩録』(げんしばんろく292条)
『言志耋録』(げんしてつろく:340条)の四種類があります。42歳で起稿し82歳までの40年にわたる随想録であります。この四篇を総称して『言志四録』と名づけられています。著者は、佐藤一斎(1772年、安永元年生)で、江戸の人であります。一斎の著書はおよそ90巻といわれ,また、学んだ門人は数千人を数えるといわれています。
有名な人物では佐久間象山があり、象山の門下には勝海舟、坂本竜馬、吉田松陰、小林虎三郎などの志士が輩出し、また、吉田松蔭の門下からは、高杉晋作、久坂玄瑞、木戸孝允、伊藤博文、山県有朋などが輩出し、明治維新を形成しました。佐藤一斎の人物といいますか、その人柄は上記の関連を知れば一目瞭然であります。
著書の内容は、すべて座右の銘のようなものであります。どこを開いてもすぐに役立つといった内容のものばかりで埋め尽くされている。というのが脇屋の感想であります。
私は講談社が発刊している文庫本を四冊購入して20年になります。判断に困ったとき、行動の良否を見極めるときなどには、菜根譚の本と共に、必ず言志四録の本を開いて確認をしてきました。
今では仏教哲学と同じようにこの哲理が心身に染みついています。これが毎日の生活の中でどれほどに役立ったことか計り知れないものがあります。