随筆

例年のように理髪店の前にある土地に遅咲きの朝顔の苗が植えられた。いつもながら、この朝顔は本当に咲くのかなーと思っていたら九月過ぎから次から次と咲き出すといった変りものの朝顔である。

私が思っているのは、一般的に朝顔が咲くのは八月という思いが子供の時から強いから、九月から咲くのは……と想っているからである。この写真は七月の初に撮ったもので今はこの十倍ぐらいに枝葉が茂り上段の紐に絡みついて横に長く延びている。

ここのところ梅雨も上がり、毎日の気温が33度から35度とうだるような暑さである。子供たちも二十日から夏休みに入り海を楽しむ季節になったが、昨日は悲しいことに13人の子供たちが池や海で亡くなったニュースが流れた。将来のある子供たちを大人は確りと管理責任があることを忘れてはならない。

朝顔もこの灼熱の太陽の光を恵みに変えて、これから毎日少しづつ成長を遂げてゆくのである。毎朝、この朝顔と「おはよう」と挨拶を交わしながら今朝はここまで延びたね…と思うとつい笑みがこぼれる思いである。そんなことを思っているのは私だけではない、通りすがりの人が立ち止って見ている人がいる。きっと、私と同じようなことを考えているに違いないと思うと、また、フフと笑わずにはいられない気がする。

朝顔の成長をもっと気にしている人がいる。その人は理髪店のオーナーとスタッフである。ジョウロに水を入れて朝顔に毎朝水を与えている姿を見るからだ。彼女達はどんなに花の咲く日を待っていることであろう。丁度、恋人を待つように…。

 

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