随筆

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天王寺から天満橋に通じている道路が谷町筋と称している。この谷町筋の下は、地下鉄が運行され天満を経て東梅田駅に通じている。

この谷町筋の七丁目の交差点から約百メータほど歩くと、谷町筋をはさんで空堀商店街が右側と左側に分かれてお店が居並んでいる。七丁目から向かって右側の商店街は上町筋に通じ、左側の商店街は松屋町筋に通じている。

この環境をみて考えられるのは、昭和の初期頃にはおそらく谷町筋がなくて、空堀商店街はひとつの道路としてつながり、その両側にお店が並んでいたに違いない、と、ちょっと想像してみるのも面白い、歴史を紐解けば直ぐにわかることではあるが、と、思いながら考えていた。

この左側の商店を五十メータほど進むと、下り坂になっている。こんな坂道に店舗が並んでいるのは、お寺かお宮などの参道以外には考えられない環境であるが、いつも多くの人々で賑っているから不思議である。

でも、何軒かの老舗と思われるような店は今も健在のようではあるが、厳しい社会経済の昨今では、何回も入れ替わる店舗があり経営の難しさを表わしている。「昔は良く売れて、いつもお客さんが並んでいたが下にスーパーができてから、お客さんが上ってこなくなり、昔は三人雇用していたが今は一人ですわ……」と時代の変化を物語る店主に出会った。

空堀商店街は戦火に遭わなかった商店街として大阪では有名場所の一つであるだけに、いつまでも元気にあってほしいものである。

 

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