小学を学ぶ

 『孔子の言葉に、士(学問をする者)たるものが道を学ぶことを志しながら、自己の粗衣・粗食を人前で気にかけるようでは、とても道について話し合うわけには行かない。』

小学「嘉言第五」

※解釈:肯じない(がえんじない)=承知しない

 

『張横渠先生の語に、

「子供の教育には、まず落ち着いて、物事の取り扱いをていねいにし、態度をうやうやしく、心につつしみの多いようにと教えるのが肝要である。近ごろは正しい学問が行われず、男女とも、幼児から驕惰の習慣がついてだめになり、成長するに従って、ますます無軌道乱暴になっていく。

すなわち、少年時代に長上に仕える作法を学ばないので、親に対してすでに被我が対立の思想があり、自我を固執して親に従うことを肯じない。驕惰の病はこのように幼時に根を生じ、それが環境に従ってますますひどくなり、一生涯癒らないことになるのである。』

 

(張横渠先生の言葉のつづき)

『人の弟子として子弟の仕事である掃除や賓客への応対などを嫌がり、朋友と交わるにはこれにヘり下ってその益を求めることが出来ず、役人となっては、その官の長たる人の命令に従えず、宰相となっては、天下の賢者に敬意を表してその忠告を聴くことが出来ない。

更に甚だしいものは、自己の意のままに振舞って、正しい道理など一切かまわないようになるのは、皆この驕惰という病根がとれずその病が居る所、接する所に随って益々ひどくなるためである』とある。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA