八十の山

「顔色が好いですね・・・」と、時折訪ねてくださる吉野さんから声をかけられた。

吉野さんは声が大きくいつも明朗快活な女性である。知合って二十年近くになります。「最近、皆さんがそう言ってくれます」と、こころよく応えると、「そうでしょう・・・顔色を見ただけで、元気になられたことがわかりますよ・・・」と病気あがりの私に太鼓判を押されたように心に嬉しく響いた。

 

私の健康ドラマは次の如くです・・・

20才のとき肺疾患にかかり(当時は感染病の扱いで、肺病といわれて周囲から嫌がられたものです)その後、気胸療法で完治しましたが・・・41才のとき、肺と心臓が癒着しているという後遺症が発生して、診断の結果、関西医大で左肺の上部切除の手術を受けました(背中から脇腹にかけて36針縫ってあります)

70才になたとき直腸癌といわれて大阪労災病院で手術をうけ、然し、直接腸に繋ぐことができたのが不幸中の幸いでした(今になり特にそう思う)その後順調に回復し元気になったと思えば・・・75才には、胃癌と言われまた大阪労災病院で三分の二の胃を切除しました。こうして私の体は刀傷で醜いものになってしまいました。

今年の誕生で81才になりますが、今は「病い抜けした」というか、「元気になりましたね・・・」と吉野さんが言われるように、とても元気で感謝の日々です。しかし、昨年の暮れから80才を超える三ヶ月間は、体調の変化が厳しく少し難航しましたが、無事航海が終えたようです。

 

私を知っている方々は、「そんな体だったの・・・」と驚嘆されることでしょう。外見・言葉ずかい・身体の動き・歩く姿勢などからでは、多分知ることはできないと思います。今は、私の健康を語って多くの人々に知っていただくことにしました。この長いドラマを語りつづって行くことで、何かの、誰かのお役に立つのではないかと考えたからです。

だから、時間をかけて、ゆっくり、肉体面・精神面・行動面・養生面・飲食面等について話して行きたいと思考しています。愚才ですが、もし、ご意見やご質問があれば、それにお応えしたいと思っています。後、10年今の現役のままで、私の『ある目標』に向かって前進いたします。・・・そのように決心いたしました。

 

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