六中観 (りくちゅうかん):『安岡正篤作』
一、忙中閑あり 「ぼうちゅう かんあり」
一、苦中楽あり 「くちゅう らくあり」
一、死中活あり 「しちゅう かつあり」
一、壺中天あり 「こちゅう てんあり」
一、意中人あり 「いちゅう ひとあり」
一、腹中書あり 「ふくちゅう しょあり」
※脇屋解説(毎月一項づつ6回で解説をいたします)
一、忙中閑あり
「忙しい、忙しい…」というのは、行動に計画性がないからだといわれている。字義からみても「忙」という字は「心」と「亡」からの合体字で、すなわち「心が死んでいる」という字義になる。
そこで「忙中閑あり」という意味ですが、忙しい…忙しいだけではなく、「閑あり」それは“閑をつくりなさい”ということを教えている。
「閑」を辞書を引くと「ひまなこと」「仕事がないこと」とある。だから、仕事をしないで「考える時間」をとる「計画や段取」ができる時間をとることが「閑」ということになる。
例えば、8時間の仕事をするには、90分は思考・計画・段取の時間に当てないと、好い効果のある仕事はできないと考えるとよい、しかしその90分は、8時間の中でとるのか、または8時間外でとるのかは、それぞれの考えで自由である。
このように「忙中閑あり」とは、物事を進めるときは「忙しい」だけで終わらないように、成果を治めるには、思考・計画・段取りが大事となる。