七月の心がけ
七月の干支は、辛未(かのと・ひつじ)であります。「辛」(しん)は、鋭い刃物を表わしている象形文字です。食品の味でいえば「辛}は“カライ”という意味で、舌をピリッと刺すように「からみ」のことをいい表わしています。
また人間社会の中で「辛」を考えると、辛苦、辛酸、辛艱、辛労、辛痛などの熟語があるように、「つらい」「むごい」「ひどい」「きびしい」等々の意味があり、日常生活のなかでは、辛には「辛抱する」という大意があるように思います。
さらに、「辛」には「新」という考え方がありまして、『史記』という書物には「辛は万物の辛生(新生)を言う」といわれているところから、辛には「物事を一新する」という解釈も成り立っています。
次に「未」の意味ですが、未の字は「木の上に短い一との合体」で成り立っています。これは、木が繁りすぎて周囲が見えなくなり、暗くなっている状態を表わしています。だから、未を「くらい」と読みます。また、未は「昧」と通じるといわれ「曖昧」(あいまい)という熟語があるように「物ごとがはっきりしない」ということになり、このように、「未」は「物ごとが曖昧で、はっきりしていない」ということになります。
そこで七月の心がまえですが「はっきりしないこと」は思い切って「切り捨てる」か、或いは十分話し合って筋道を明確に決めることが大事です。とに角、先ずは、個人なら家庭、事業なら業務内容のすべてに対して整理即ちいらないものは捨てる。必要なものだけ残して、残ったものを、優先順位よくに整頓をして整えていくことである。整理・整頓ができれば、旧来の悪習を取り除いて心機一転できるように「物事を一新する」ことが七月の重要課題であり、これが七月に実施しなければならない心構えであります。
こうした波動は、個人、事業に関らず、経済界、政界にも通じることであり、天地の動かざる道理として動いているのであります。