『菜根譚』(201引用)
世俗の人は、心が満足することを楽しみとするので、かえって、その楽しみを求める心のために苦しみに引きこまれる。
(これに反し)
道に達した人は、苦しみにうち勝つことを楽しみとするので、結局、苦しみのおかげで楽しみを手に入れる。
「苦しみに勝つ」
「苦しみにうち勝つ」という意味は、妊婦が苦しみを乗り越えて赤子を誕生する。
ということが、最も適正な解釈である。苦しんで、苦しんで頑張って来たのに 失敗するのは「苦しみ方」が間違っているのである。「身勝手な苦労はだめだ」と,私は人々に教えるが、苦労というものは、自分に都合のよいことでは、たとえそれがよいことであっても、たいした結果は得られないものだ。
家族や他のために役立ち、また会社や組織、社会のために役立つ苦労という善行は、そのおかげで、必ず、分相応の楽しみが与えられるものである。
解説:脇屋