六中観について

六中観 (りくちゅうかん):『安岡正篤作』

一、忙中閑あり  「ぼうちゅう かんあり」

一、苦中楽あり  「くちゅう らくあり」

一、死中活あり  「しちゅう かつあり」

一、壺中天あり  「こちゅう てんあり」

一、意中人あり  「いちゅう ひとあり」

一、腹中書あり  「ふくちゅう しょあり」

※脇屋解説(毎月一項づつ6回で解説をいたします)

 

一、忙中閑あり 

「忙しい、忙しい…」というのは、行動に計画性がないからだといわれている。字義からみても「忙」という字は「心」と「亡」からの合体字で、すなわち「心が死んでいる」という字義になる。

そこで「忙中閑あり」という意味ですが、忙しい…忙しいだけではなく、「閑あり」それは“閑をつくりなさい”ということを教えている。

「閑」を辞書を引くと「ひまなこと」「仕事がないこと」とある。だから、仕事をしないで「考える時間」をとる「計画や段取」ができる時間をとることが「閑」ということになる。

例えば、8時間の仕事をするには、90分は思考・計画・段取の時間に当てないと、好い効果のある仕事はできないと考えるとよい、しかしその90分は、8時間の中でとるのか、または8時間外でとるのかは、それぞれの考えで自由である。

このように「忙中閑あり」とは、物事を進めるときは「忙しい」だけで終わらないように、成果を治めるには、思考・計画・段取りが大事となる。

 

人間学

2009年4月25日
二宮尊徳翁の訓えより『学問修行の眼目』師はこういわれた。仏教信者も釈迦がありがたく思われ、儒者も孔子が尊く見えるうちは、よく修行すべきだ。修行して最高の地位にたどりつければ、国家を富ませ、世を救う以外…

小学を学ぶ

2009年4月25日
中国古書『小学』より 楊文公の家訓にいう。 『少年の学問は単なる記憶や暗誦だけではなく、その良知・良能を養わなければならないが、それには、先人の言が大切である。よって、古今を問わず、日日、歴史的事実を…

随筆

2009年4月25日
「死んでもいいから、元気でないといかん」と長崎の田舎に行ったとき、おじさんがよく言って笑わしたものでした。そのおじさんも今は天国に帰ってしまいました。「死んだらあかん、でも、元気でないとあかん」と言っ…

菜根譚

2009年4月25日
菜根譚(197引用)『鷹の立っているようすは眠っているようで、虎の歩く姿は病み疲れているようである。しかし、これこそ、人につかみかかり、かみつく手だてである。これを見ても、君子たるものは、おのれの賢明さ…

子供の育成

2009年4月25日
“しつけ”「それでもあんたは親なのか」といわれる親たちが多いといわれる。「幼児虐待」という聞き辛い文字や言葉を時折見たり聞いたりする。聞きわけがないからといって暴力を加えて死に至らしめる実例もある。どう…

今月心がけ

2009年4月25日
五月の心がけ五月の干支は、己巳(つちのと・み)である。「己は、紀(すじみち)である。物が始めて成就した時には、そこにすじめがある。」と五行大義にあり、また鄭玄は「戊とは茂ることであり、己とは、起こるこ…

五月五日(端午)

2009年4月22日
 『端午』とは、「初五」の意で、「端」は初めという意味であり、「午」は五と同じ意味であります。つまり端午は、もともと月の初めの午(うま)の日のことをいい、毎月の上旬五日の意味もありました。特に五月五日…

八十の山

2009年4月17日
「顔色が好いですね・・・」と、時折訪ねてくださる吉野さんから声をかけられた。吉野さんは声が大きくいつも明朗快活な女性である。知合って二十年近くになります。「最近、皆さんがそう言ってくれます」と、こころ…

春の高山祭り

2009年4月15日
四月十四日の昼すぎ、獅子舞、雅楽、闘鶏楽などとともに神輿の巡幸が始まると、各町内から十二基の屋台(山車)が繰り出す。屋台はいずれも飛騨の匠たちの秀でた技術によって作られた豪華なもので、「動く陽明門」と…
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